1散る桜真中に腕(かひな)開きつつ見上げ笑まひゐし妻の偲ばる 2そのまま;波とよむ切岸の海桐(とべら)花の芽の春日を受けてふふみきたりぬ 3「お願ひします手術を受けて」深々と子は改めし声に頭(かうべ)垂れたり 4そのまま;切岸の海桐(とべら)の花の芽膨らみて花に顔寄する妻の浮かび来 5そのまま;海の上に浮きゐる雲に入日差す生きつづけむか蹌踉(よろば)ひつつも
1散る桜両腕開き掌(てのひら)に受け笑舞ひゐし妻の偲ばる 2波とよむ切岸の海桐(とべら)花の芽の春日を受けてふふみきたりぬ 3「手術受けてお願ひします」深々と子は改めし声に頭(かうべ)垂れたり 4切岸の海桐(とべら)の花の芽膨らみて花に顔寄する妻の浮かび来 5海の上に浮きゐる雲に入日差す生きつづけむか蹌踉(よろば)ひつつも
3.春深み雲雀の高鳴きまだなれど畑地の中を飛びては歩む 4.雪柳の花広がるも辺りには沈丁花の香漂ひてをり 5.森中の露天風呂に入り足伸ばすいづくにか鴬鳴きて止みたり
1)週末に二つのパレード華やかにプリンス.クヒオにST.(セント)パトリック 2)プリンス.クヒオはハワイ王朝出身にて努力が実り国会議員となりし 4)楽しみのワイキキパレード賑やかに友と出かけし日は遠くなり
B君に甘え黙って居れば慰めてくれると思いわざと拗ねてる C別るれば優しき時が偲ばれて帰って欲しい昔の恋人 D年老いて思いは未来に飛んでゆくラピュタの城か浄土の蓮の花
1.改札のsuicaの数に感情を動かすわれはケチなんだと知る 2.待っててと手を合わせれば救われる行く行く先のあるような気がして 3.カフェインも飲んでしまおうこのところ便秘も動悸も咳もなければ
1海見ゆる河口の土手の桜木の蕾ふふみて色づきて来ぬ 2桜木のふふめる枝より鵯(ひよ)の発つま白き胸に朝日を受けて 5白木蓮の蕾に思ふこの花の咲き満つる下母の迎へくれたり
3.座りいる陽だまりソファーの心地よく夫弾くピアノの調べ流るる 4.片付けは夫に任せしカウンター舐めたるがごと黒光りせり 5.近づきし目の手術日にしたためる吾子への文に心の揺れて
B野良猫の席白々と空いている桜も菫も咲く春なのに C空に向かい咲くくれないの桜花心してみる卒寿の君と D花終えし水仙の茎そっと折る春野に出でて若菜摘むごと
1「さびしさを消しくるるまで生きまほし」夫に遺して友は逝きけり 2富士の山毎日見れど同じ様見ることはなし雲の懸かりに 光満つ旧宮邸の春の午後枝垂れ桜は風に揺れゐる
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