新アララギ通信

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【180】本誌選者・編集長 今野英山氏の歌集が島木赤彦文学賞に。
2025/7/8(火)23:37 - 小松 昶 () 削除

今野英山歌集『ランドスケープ』 第27回島木赤彦文学賞 受賞

 木造の家屋と古代の遺跡との狭きをかすめてトラム駆け抜く
 吐く息の安らになりてつひの息ひとつ吐き終へ母逝きたまふ
 藪がらし、どくだみ、すぎな根をはりて地下の覇権を争ふやから
 枯山水は常識やぶりのヌーベルバーグ思ふがままに自由に詠へ
 幼児らは遠巻きしつつ隅にゐるパークゴルフに日々占められて
 わが孫の月満ちまさに生(あ)れむとす九天四海をその身に秘めて
 一直線に突つこみしばし叩(はた)かれる潔きかな柏戸剛

【179】本誌会員 立野明子氏の作品5首「うた新聞」6月号
2025/7/8(火)23:10 - 小松 昶 () 削除

水無月作品集

  暇つぶし   立野 明子
 人生は暇つぶしといふ言(げん)よぎりつつ春めく空を眺めてゐたり
 病む君に寄り添ひ励まし語りあふおもひ切なきわが暇つぶし
 何となく腑に落ちてゐる人生は暇をつぶして死に逝くものと
 丁寧に日々是好日と暇つぶす老いゆく生命の尊さ見つめて
 人生の暇つぶしこそ楽しかり君に恋して娘(こ)らを愛して

【178】本誌編集委員 大原清明氏の作品5首「うた新聞」4月号
2025/5/9(金)21:28 - 小松 昶 () 削除

卯月作品集
  みちのく雪景色    大原 清明
 冬枯れの落葉松林うつすらと白く包みて雪の降りつぐ
 湖の畔の酒蔵を訪ね来て一献利かむ雪の夕べに
 雪まじる夜風に揺るる樅の木は恋に悶ゆる女のごとし
 雲間より月あらはれて雪積みし野辺はたちまち銀の原
 春の雪ふりつぐ夜は酒酌みて旅の炉端に媼と語る 

【177】本誌会員 大窪和子選者、加藤民人氏の歌5首 「現代短歌新聞」4月号
2025/5/3(土)21:54 - 小松 昶 () 削除

神奈川県の歌人

 またしても   大窪 和子
世界に起こる現実をまともに認め得ぬボスの居る国アメリカどうなる
支持率下がり不支持上がるは必定なり何故に人らは彼を選びし
またしても大国の意に弄ばるるウクライナの民の怒り悲しみ
外交にも仕事着貫くその思ひゼレンスキー大統領の姿肯ふ
在りし日のまま歩める夫を夢に見し夜の明けにして力湧きくる

 ピアニスト小雨さん  加藤 民人
小雨さんカバー写真は雪の中制服姿にてシルエット残す
白きYAMAHAの鍵盤に色白の頬つけて例へばショパンの子犬のワルツ
粉雪を舞ひ散らせながら白きオコジョ跳ねゐるところ一瞬捉ふ
学校の廊下を背にして小雨さん凭れ掛かれり明るめるなか
もし小雨さんがラ・カンパネラを弾くならばあのフジコ・ヘミングと競べられよう



【176】新アララギ4月「作品紹介」の選者の歌の訂正です。
2025/4/21(月)23:44 - 小松 昶 () 削除

雁部 貞夫
  天井→天上、此花→木花
谷 夏井
  気持ち→気持
 

【174】訂正
2025/4/9(水)00:27 - 小松 昶 () 削除

吉田氏の文章、下から二行目、「懸命」は「賢明」の誤りです。

【173】本誌会員 今野英山選者、吉田信雄氏、砂山信一氏の歌 「うた新聞」3月号
2025/4/9(水)00:24 - 小松 昶 () 削除

歌集『ランドスケープ』著者近詠 作品10首  
   リスボンぶらり   今野 英山
 香菜(コリアンダー)をたつぷり使ふ浅利蒸し大航海時代の残滓がかをる
 モスリムもシーク教徒も見かけたり世界の半分わけあひしこの国
 古びたる車両といへど居心地のよさは負けないリアリズムにして
 石垣の城跡おほふ笠松の大き木陰によき風わたる
 城跡の裸婦像のめぐり着かざりし青き孔雀の悠々あゆむ
 楼門を出でて城下に迷ひたりイスラムのまま路地は入りくむ
 目的の店になかなか近づけぬかういうものか護りの街は
 ポルトガルギターは琵琶と瓜ふたつどこかで何かが繋がつてゐる
 ギターラとビオラの響きの細やかさ女のせつなきアルト乗りくる
 豚肉と浅蜊のアレンテージョ風保存の知恵は固くてしょつぱい

歌集『珠洲の海』著者近詠 作品10首
   冬のダイヤモンド   砂山 信一
 正月の西の夜空に金星と三日月土星連なり光る
 正月四日星夜のシリウスよりたどり冬のダイヤモンドの星探しゆく
 正月四日西に金星土星あり仰ぐ頭上に木星明るし
 東よりシリウス上る星夜にて冬のダイヤモンドの六星耀ふ
 仮設の屋根越えてオリオン上部見え右に瞬かず明るき木星
 真夜西に八日月あり南(みんなみ)に木星東に火星目に立つ
 夜更け仰ぐ頭上に十一日月ありて右に木星並び輝く
 十一日月明るくて左下南のオリオンかすか目に見ゆ
 南東のシリウス・リゲルと結び描く冬のダイヤモンドの真下に我あり
 全天一明るく瞬くシリウスよりさらに明るき頭上の木星
 

能登、東日本、阪神ーその月日といまの思い
    十四年経つ   吉田 信雄(福島県いわき市)
 ピラミッドの台座に見紛ふ汚染土の山がわが家を覆ひてしまえり
 帰りたくも帰れずなりたるふるさとの衣裳を脱がむ十四年経つ
 遠き日の家族写真の懸かりをり原発事故が離散せしめき
  
  (要旨)東電原発事故でまだ二万五千人以上が帰還できない。多くが除染が不十分だからだ。全国的に原発再稼働の機運が高いが、福島の現実が十分理解されていないのではないか。能登の珠洲の判断は実に懸命であった。
 
  

【172】本誌会員 谷夏井選者、尼子勝義氏の歌5首 「現代短歌新聞」3月号
2025/4/4(金)14:41 - 小松 昶 () 削除

 阪神淡路大震災 30年

  「生かされて今ある命」   谷 夏井 
 かの地震にわが街は悲鳴あげてゐき裂けてうねりて歪みて崩れて
 前日に挨拶交はして別れし友拉がれて出づ梁の下より
 メイク落としの水を惜しみて化粧せずボランティアに駆けゆきし日よ
 生きてゐる吾にはあらず生かされて今ある命と思(も)ひて三十年
 美しく甦りたる街に住みなほも心の余震は消えず

  「避難所ボランティアにて」 尼子 勝義
 大地震(おほなゐ)よりひと月を経る避難所の運営ボランティアを七日務めき
 白き息吐きつつパンを仕分けせり明け方五時に配給届きて
 あかあかと燃ゆる焚火に避難所の人は集ひてただ火を見つむ
 倒壊せし家に残れる母親を救ひ出せず男は語る
 ひとしきり声上げ泣きて若者は前向きに生きると吾に告げたり  

【171】本誌会員 渋沢たまき氏の歌 5首 「うた新聞」2月号
2025/3/11(火)21:44 - 小松 昶 () 削除

如月作品集
    つくばマラソン       渋沢 たまき
 五日前太もも裏を痛めたり出場するか DNSか
 走るか否か迷ひつつ貼るテーピング無風のつくばの青天見上ぐ
 痛みとの戦ひになるかこのレース靴紐結び心は決まる
 ゴール前の坂に競ふは顔なじみ気付けば我を追ひ越し始む
 負けられぬ下りにスパートかけ走る足の痛みはいつか忘れて
 

【170】本誌会員 竹洞早苗氏の歌 5首 「現代短歌新聞」2月号
2025/3/7(金)00:46 - 小松 昶 () 削除

青森県の歌人

   病む犬     竹洞 早苗

 糖尿病に視力無き犬ひざに抱き今朝も目薬さしつつ励ます
 器叩き水欲る犬はヘルニアにて同じ病む身の吾はかしづく
 目が見えず歩けぬ老犬なほ吠ゆる何処が痛むや背を撫づるのみ
 何をしても偉いと犬を褒めちぎる吾が子もかうして育てたかつた
 糖尿病の犬に犬に小児の紙襁褓あててより娘は安眠を得ぬ

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