1どの枝もしなりて揺れるユキヤナギ白き小花の咲きこぼれそう 2小ぶりなる西洋石楠花玉の花濃い紅色の鮮やかなりき 3待ちかねし桜咲きたりなのに今日花散らしという雨の降るなり 4三年前桜祭りで貰い受く御殿場桜花を咲かせり 5デイケアの向かいの席に座りたる白寿の女(ひと)の笑い磊落
@五分咲きの桜の花の淡き色落ちんばかりの雲に溶けいる A花見には行かねど犬と散歩する道々の桜立ち止まり見入る B犬の目に桜の色は判らねど微かに匂うか鼻を動かす C桜より春告げる声の小さくも歩道の隙間にすみれの花咲く D風強く春の日差しも冷え冷えと桜が気鬱を連れて来るのや
2.壊されし防潮堤跡つぶさに見て津波のすごさ思ひ知らさる 4.辛うじて残るホテルの四階にて涙ながらのその時を聴く 5.復活なる列車の窓より次々と盛り土だけの平地目に付く
1. 脳内に動脈瘤があると知り眠れずにいる夜の帳に 2. くも膜下出血になれば三割は後遺症になり三割が死ぬ 3. ファンだった西城秀樹も診たというこの病院を最後に選びぬ 4. 術式を詳しく伝える若き医師に我の命を託そうと思う 5. 生きたいと願いながらの花逍遥死の可能性を知りたるゆえに
小松先生 よろしくお願いします。 @五分咲きの桜の花の淡き色落ちんばかりの雲に浮きて見ゆ A花見には行かねど犬と散歩する道々の桜立ち止まり眺む B犬の目に桜の色は見えねども微かな匂いか鼻を動かす C桜より春告げる声の小さくも道端のすみれたんぽぽも咲く D柔らかな春の日差しも冷え冷えと桜が気鬱を連れて来るのや
1. 脳内に動脈瘤があると知り眠りに落ちない大寒の夜 2. くも膜下出血という病では死ぬ人三割後遺症三割 3. ファンだった西城秀樹も診たというこの病院に我も縁あり 4. 術式を詳しく話す若き医師に我の命を託そうと思う 5. 生きたいと思う気持ちが強くなる死の可能性がちらつき始めて
1.東日本大震災から十五年いまだ戻れぬ幾多の人々 2.震災後三陸鉄道のツアーにて生々しき跡つぶさに見たり 3.海岸に高き堤防続きいて明媚な海を見ること能わず 4.辛うじて残りしホテルの四階にて涙ながらのその時を聴きぬ 5.復旧せし列車の窓より次々と盛り土だけの平地目立ちぬ
2、他はみな健やかなりし母なれど肩こりだけは居座りいたり 3、酷き首こり新たに起こり重き石載せ歩むがごとし 4、年ふりて首の重さの身に沁みる薄き肩より落ちなんとして
1、あれほどの肩こり消えてへなへなの薄き肩なる九十路かな 2、他はみな健やかなりし母なれど肩こりだけは居座りてありき 3、重き石を載せて歩むがごとくなり酷き首こり新たなるもの 4、年ふりて首の重さの身に沁みる薄き肩より落ちなんとする 5、肩こりの消えて久しき卒寿にて首の重さの耐えがたき日々
1. 焼骨の間に眺む窓の外今年の花の咲き初んでいる 2. 付き合いの深まることなく親族のままでありたり義理の弟 3. 随分と増えた気のする花びらよ精進落としの終える頃には 4. 久々にホームの屋根に雨の音もっとふれふれ歌のごとくに 5. 席をとりメガネを外し背もたれにもたれる朝のルーティン
〔更新〕〔終了〕
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