1振り向けば箱根の山に日が昇り霧のかかりて墨絵の如し 2リハビリの療法士きみに尋ねみぬ我のこの麻痺治るかしやと 3デイケアのクリスマス会プレゼント職員さんの手編みの手袋 4土佐文旦愛果温州実家よりあまたみかんの今日は届けり 5ディケアの今年の書き初め「明」と書く背筋を伸ばし思いを込めて
1. コンビニまで歩けぬ父がフランスの旅広告を今日も見てをり 2. 雪の日にアイスを三つ食べし父逝くと知るなら怒らざりきを 3. 風呂好きの父が今日も入浴せぬ九十一の如月の夜に 4. この家に戻れないとは知らざりき父を連れゆく転倒せし朝 5. 病室のテレビを一度もつけぬ父何を楽しみ今日を生きるや
1.研究にメモリデバイスから取り組みてわが終生のテーマとなりぬ 2.近頃は足の衰へ思ひ知り妻と一緒に速歩の散歩 3.年末にはなぜか心は吹つ切れり残りし事のまだあらむとも 5.あじさいの花は無残に垂れ下ぐるも脇芽をすでに枝に付きたり
1 消えし名に地霊棲むかも宿山(やどりやま)欠塚(かけづか)蛇崩(じゃくずれ)蛇が窪(へびがくぼ)など 2 頭の上にふぁさりと触れるものありて鈴懸の枯れ葉地面に落ちぬ 3 観光客だけが蕎麦屋に群れなしてあとは寂しきシャッター通り
1振り向けば箱根の山に日が昇り霧のかかりて水墨画かな 2リハビリの療法士に確かむる我のこの麻痺治るかしやと 3デイケアのクリスマス会プレゼント職員さんの手編み手袋 4実家より届きしみかん数ありて愛果(あいか)、温州(うんしゅう)、土佐文旦(とさぶんたん)と 5デイケアの今年の書初め「明」と書く背筋伸ばして思いを込めて
3 あほ犬と言いつつ撫でる友の掌はゆるりと柔く(やわく)目尻も下がる
1 消えし名に地霊棲むかも宿山(やどりやま)欠塚(かけづか)蛇崩(じゃくずれ)蛇が窪(へびがくぼ)など
1.研究に最初に取り組みしメモリーはわが生涯のテーマとなりぬ 2.近頃は足の衰へ思ひ知り妻と一緒に散歩に出向く 3.年末にはなぜか心は落つけりやり残しし事まだあろうとも 4.池のふち鴨らにも水冷たきか芝生で顔を背中に埋めり 5.紫陽花は惨めななりで枯れゆくも枝には脇芽を用意してをり
八木先生 どうかよろしくお願いいたします。 1 宿山欠塚蛇崩蛇が窪地霊棲むかも消えた地名に 2 頭の上にふぁさりと触れるものありて鈴懸の枯れ葉地面に落ちぬ 3 観光客だけが蕎麦屋に群れなしてあとは寂しきシャッター通り 4 刻々と日は傾きてビルの影広がりてゆく冬至は近し 5 冬木立その向こうには空広く冠雪いただく日光連山
1 脚を病む友に代わりて愛犬の散歩をしたり年末年始に 2 二十キロの体重をかけ引く犬のリードを両手に腰ひくく歩く 3 あほ犬と言いつつ撫でる友の掌はいと柔らかく目尻も下がる 4 人混みも他(た)の犬も避けひっそりと一足ごとに呼吸かさなる 5 独り居の心の友かエアコン付き二畳の小屋に飼われる犬は
〔更新〕〔終了〕
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