1冬去りてはや花便り年ごとに速さを増しぬ時の流れよ 2卒業の日に仰ぎ見し天頂に白く耀くひとひらの雲 3海のかなた戦争やめぬ国ありて世界壊すか波押し寄せる 4空爆に戦死戦傷テロ破壊そんな見出しに慣れゆく我は
この坂に手を振りし君影ゆれて行き交ふ人に櫻はらはら
1. 脳内に動脈瘤があると知り眠れずにいる大寒の夜 4. 術式を詳しく説きゆく若き医師に我の命を託さむと思ふ 5. 生きたいと願う気持ちが強くなる死の可能性がちらつき始めて
1どの枝もしなりて揺れるユキヤナギ白き小花の咲きこぼれいる 2小ぶりなる西洋石南花陽を浴びて濃い紅色の鮮やかなれり 3 待ちかねし桜咲きたり見上げれば花散らしという雨の降るなり 4三年前貰い来し御殿場桜花を咲かせり 5デイケアの向かいの席に座りいる白寿の女(ひと)の笑い磊落
1冬去りて花便り聞く頃となる過ぎに過ぎゆく時のはやさよ 2卒業の日に仰ぎ見し天頂のひとひらの雲今も忘れず 3海のかなた戦争やめぬ国ありて灰色の波押し寄せやまず 4空爆に戦死戦傷テロ破壊そんな言葉に慣れゆく怖さ 5暮れなずむ桜並木に遊ぶ子ら平和な時代よ永久にもがもな
2.壊されし防潮堤跡つぶさに見て津波の威力思ひ知らさる 4.辛うじて残るホテルの四階に涙ながらのその時を聴く 5.復旧の列車の窓より次々と盛り土だけの平地目に付く
1、あれほどの肩こり消えてへなへなの薄き肩なる九十路かな 2、心身とも健やかなりし母なれど肩こりだけは居座りていたり 3、酷き首こり新たに起こり重き石載せ歩むがごとし 4、年ふりて首の重さの身に沁みる薄き肩より落ちなんとして 5、肩こりの消えて久しき卒寿にて首の重さの耐えがたき日々
1どの枝もしなりて揺れるユキヤナギ白き小花の咲きこぼれそう 2小ぶりなる西洋石楠花玉の花濃い紅色の鮮やかなりき 3待ちかねし桜咲きたりなのに今日花散らしという雨の降るなり 4三年前桜祭りで貰い受く御殿場桜花を咲かせり 5デイケアの向かいの席に座りたる白寿の女(ひと)の笑い磊落
@五分咲きの桜の花の淡き色落ちんばかりの雲に溶けいる A花見には行かねど犬と散歩する道々の桜立ち止まり見入る B犬の目に桜の色は判らねど微かに匂うか鼻を動かす C桜より春告げる声の小さくも歩道の隙間にすみれの花咲く D風強く春の日差しも冷え冷えと桜が気鬱を連れて来るのや
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