1.土俵際で駄目押しをせし阿炎関よダークヒーローにはならぬように 4.会津武士の子の気構えと公職の子を比べて惜しむ若武者たちの死「公邸忘年会」
4、九十代に見えぬと言って貰いいしがいつしか言ってもらえずなりぬ
1)英国のチャールス三世王様となりぬウエストミンスターで七十年ぶり 2)戴冠式へ世界の高官、A宮様も小雨に濡れし一般国民 3)二時間の戴冠式は長過ぎたプリンス「ルイ」(五歳)のあくび可愛い 4)事故もなく波のようなる行列は訓練万端軍隊のよう 5)バルコニー皇室家族の参拝は儀礼飛行の祝賀ムードなり
ン、運だけは良かりし我が世大病も知らず来年卒寿を迎える

 1、君の夢見むとて伏せば仄かにもピカケは薫る闇深き夜に

 2、一人寝の安きに慣れし我なるに君が背中を恋うる夜半かも 

3、君逝きて心に空きし穴塞ぐ術などなくてハーブを育てる

 4、 5年前買った日記帳早くも最終年を埋めてゆく日々
1、 深酒し友を罵りひとり出でし心に浮かぶ観音の微笑み 2、 四十年ぶりに会ひたる病む友と並び拝めり観音菩薩を 3、 十一面観音菩薩たおやかに我を見下ろし微笑みいます 4、 駅のホームに夜を明かして帰り着きし我を迎へき友の蔵書の 5、待ちくれしは友の秘蔵の我らの師署名いれたる「紋切り型辞典」
1 彼方より茅花のうねり寄せ来たりいま背中へと吹き抜けしもの 2 道の端に咲きそふ草もそれぞれに名前のありきいざ呼びやらむ 3 異国よりナヨクサフジは渡り来て現代(いま)多摩川の流れ縁取る 4 青々と川面に延ぶる虎杖に羽ばたき習ふをさな翡翠 5 ヒマワリの双葉を食みて仕舞ひしは汝が悪戯かやれダンゴムシ
1.知らぬ間に池から消えし鴨たちよもう日本海を渡り終へしや 2.一面の田はトラクターの独壇場起こし均しから田植までにも 3.ボランティアで幼稚園にてアウトリーチ児らの笑顔に未来を信ず 4.我が家から近くに見ゆる筑波山見飽くることなし不思議なほどに 5.チャレンジと陶芸の会に加わりて粘土の扱ひ少し分かりき
1,深酒し友に絡みているときに心に浮かぶ観音の微笑み 2, 四十年ぶりに会ひたる病む友と観音菩薩を古寺に拝む 3, 十一面観音菩薩たおやかに我を見下ろし微笑みいます 4,友の部屋を深酒に汚し帰り来ぬ我を迎へき友よりの荷物 5,待ちゐしは友の秘蔵の我らの師署名いれたる「紋切り型辞 典」
1.阿炎関の土俵際でのダメ押しにダークヒーローになるなと祈る 2.シュバコウが雛を育てる巣の下に爆破のあとの主(あるじ)なき家 3.「人間のすることじゃない」と聞くたびに「人間だから」とひとり呟く 4.「什の掟」はお子方みずから決めたのに息子の「閣僚ごっこ」はウケる 5.安全な水だと言うなら捨てずともご自分たちの飲み水にどうぞ (ウケるは軽薄でしょうか?)
2、「歌作る暇などあればハンカチの一枚でも洗え」と言いたき妻か 3、わが齢を九十五歳と改めて記ししときに驚きにけり 4、九十代に見えぬと言って貰いいしがこの頃言ってもらえずなりぬ 5、われを看て家事こなす八十四の妻疲れた顔を見せることもなく
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