作品投稿

作品募集要項

短歌をお寄せ下さい。作品には運営委員による指導があります。以下の手順でお願いします。

(1)「初稿」の提出。1人1か月に5首まで。自作未発表作品であること
(2)「改稿」の提出。「掲示板」での添削等を取り入れた改作。この提出は月3回程度。
(3)毎月20日までに「最終稿」と明記して、1人3首まで(厳守)を、指導を受けた作品の中から自選して、あらためて提出
(4)ハンドルネームを使用してもよいが、混乱が生じやすいので頻繁に変えないこと。
(5)「新アララギ」本誌の会員は、ここに投稿した作品を本誌に二重投稿することのないように注意する。


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今月の秀歌と選評



 (2012年2月) < *印 新仮名遣い>

 青木 道枝(新アララギ会員)


秀作



なの


跳ね返る声をおもちゃに遊びおり父子並びてガードの下に



評)
何でもないところに、いくらでも遊びは生まれてくる。声の変化を楽しむ幼い子と、その父の姿。
簡潔な表現が、みずみずしい。



鈴木 あきら


「来ないでね」仮設住宅の友言へば再会までを待つ七ヶ月



評)
「大津波は攫ひゆきたり友の家を通し柱までもわたつみの果てに」に続く歌。「来ないでね」という言葉には切実な背景がうかがえる。待つ側も、また辛かったに違いない。


佳作



波 浪


寝台車にて運ばれて来つオペ室の白きマスクの人らの中に



評)
緊迫するご自身の体験が、印象的に描かれた。こんな時には、冷静さも兼ね備えるものか。次の歌には「カテーテルが冠動脈に届きぬと告げらるれどわれには衝撃もなし」



金子 武次郎 *


日に三度百十五段の階段を膝庇い上る八十(やそじ)を超えて


評)
食事の度毎に、敢えて階段を使われるのであろう。歩くこと 学ぶこと、積極的に貫いておられる。次の歌も。「年取りて読まんと思いし本並ぶ書棚の整理は老いの手に余る」



Heather Heath H *


母逝きて冷たき部屋にも来る年の暦を下げぬいつもの柱に


評)
受ける感覚そのままに「冷たき部屋」と表現した。「いつもの柱に」という抑えた結句が効果的。次の歌もよい。 「キャロル歌い花持ちて帰る地下道に新聞紙敷き眠る人あり」



星 雲


酒飲まず打たず買はずの人生をさみしとふと思ふ七十八歳



評)
率直なつぶやきに、引き寄せられる。次の歌にも、生活の一場面が、ごく自然に表現されていよう。「缶ビールを妻の持ち来て小さなる今日の諍ひ収めむとする」



紅 葉


乗り合はすをさなの様を眺めをりもみぢの中を走るトロッコに



評)
紅葉の時を、せっかく乗ったトロッコなのに、目がゆくのは幼子の様にばかり。作者の年齢にも自ずから想像が及ぶ、やわらかな詠みぶりである。



もみぢ


夕闇の西空に白き輪郭の浮かびいつしかに金の三日月



評)
身近な自然を詠まれた三首、それぞれに丁寧な詠みぶり。「白き輪郭」が、ふと気づくと、はっとするほど変化していて。結句の「金の三日月」が印象的。



岩田 勇


雪嶺の日の出に光るを観んとして零下三度の屋上に立つ



評)
きびきびした詠みぶりである。新しい年を迎えたこの時期に、ふさわしい歌。他の二首には、周囲の人への細やかなこころが感じられる。



山木戸 多果志


鶴見川ただ悠然と流れゆく張り詰めし我が心静めて



評)
「鶴見川」という固有名詞が、この歌を支えていよう。もともとは、ゆったりとした詠みぶりの作者のようだ。核になる部分をどう取り入れて詠むか、今後に期待したい。



石川 順一 *


一匹の蟻が出窓の床を這い夜更けの我は独りの世界



評)
「一匹の蟻」の動きが、微妙に下の句へとつながっている。外を歩いてみる、手仕事をしてみる、など体を動かしてみる中から、少しずつこころも動いてゆかれることであろう。


寸言


選歌後記

ご自分の歌に、真剣にとりくんでおられる姿勢が、何より嬉しかったです。
表現の上で気づく点を、日々に助言いたしました。でも、ほんとうに大切なものは、 それぞれが自分の力でつかむしか道はありません。暮らしの中で力を尽くすこと、 あたらしい気づきを与えてくれる作品や人との出会いを大事にすること。そうした 中で、時間をかけて得てゆくものでしょう。
求めて、歩み続けたいです。

             青木 道枝(新アララギ会員)



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